ツールドフランス2014 出発地ヨークシャーを現地から紹介!
ツールドフランス2014のグラン・デパーの舞台となるヨークシャーってどんなところ?
ヨークシャーは英国のほかの都市に比べて知名度の低い北部地域ですが、
ツールドフランスを開催するには理想的ともいえる
牧歌的で美しい景色がひろがっています。
エミリーブロンテの「嵐が丘」の舞台として何度も映画化され、
「ロード・オブ・ザ・リングス」の2タワーズは、
当時リーズ大学で教鞭をとっていたJ・R・R・トールキン (J.R.R.Tolkien)
がリーズ大学敷地内の白くそびえるパーキンソンビルディングと
教会の黒い塔から発想を得たといわれています。
本日は、このグラン・デパーの舞台、ヨークシャーの見どころをコースに沿って紹介したいと思います。
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第一ステージ(190㎞):7月5日 リーズ(Leeds)- ハロゲート(Harrogate)
リーズの市役所前を出発して北上、オトリ―、イルクリー、スキップトン、グラシントンからホウズまで行ったところで、
レイバーン、リッチモンド、リポン、ハロゲートと南下して終点です。
リーズ―ハロゲート間は、直線で車で約30分の距離(20㎞前後)ですが、
ヨークシャーデールの見どころを紹介しながら一周するような190㎞のコースが選ばれています。
写真はグラシントンの手前にあるボルトンアビーという修道院の廃墟(Abby)です。
宗教改革前のカソリックの修道院だったところですが、
英国国教会(プロテスタント)の発生後打ち壊されそのままになっている状態です。
広い敷地内は牧草地となり羊が草を食み、中心を川が流れています。
秋には紅葉が美しく、3、4時間ほどの気軽なウォーキングが楽しめます。
ここからさらに先に進むと、マラムコーブが現れます。
この風景はおそらくサイクリングコース沿いにはないと思いますが、
少し外れて奥に入り山登りするとみられる光景です。
石灰岩でできたこの岩場は、雨が降るとつるつる滑ります。
このあたりに多い地質で、
周辺一帯では鍾乳洞も多く見られます。
ジュリエット・ビノシュが主演した嵐が丘(Wuthering Heights)のロケ地として、
このマラムが使われています。
実際の舞台のハワースとマラムでは離れすぎなので
現地の人はちょっと違和感を持ってしまうかもしれませんが、
「私たちの将来がもし悲劇に終わるなら、雨よ触れ!(うろおぼえ)」
とキャシーが空に向かって叫んだとたん、
天候は急転、空を稲妻が走る、
というような激しく、異様な雰囲気にはぴったりです。
さらに北上すると、今度はこんな景色に囲まれます。
ヨークシャデールの真ん中です。
石を積んで作ったドライウォールという柵の中に
牧草地が広がり、そこで羊がのんびり草を食む
典型的なデールスの風景です。
デールスの小さな村のコテージは石造りのものが多くみられます。
ヨークシャーならではの穏やかな光景です。
第二ステージ(200㎞):7月6日 ヨーク(York)- シェフィールド(Sheffield)
ヨークを出発し、ネールズバラ、イルクリー、キースリー、ハワース、ハダースフィールドを通り、ピークディストリクト国立公園を抜けてシェフィールドが終点です。
ヨークはヨークミンスター(写真上)と市内を囲む石の城壁が有名な歴史的な観光地です。
春になると石壁沿いに黄水仙が開花し、城壁の上が歩けるようになっているので、
壁沿いに市内を見下ろしながらの散歩は最高です。
ロンドンのウェストミンスターと同列のヨークミンスターですが、
そのステンドグラスは、宗教改革の時にばらばらに壊されてしまったので、
復元された今でも画像が全く判別できず、歴史の爪痕を感じさせてくれます。
ヨークを出た後は、ハロゲートの南にある小さな町ネールズバラを通り、キースリー、ハワースへと進みます。
写真はブロンテ姉妹の住居があったハワースの町並みです。
結構観光地化されてきています。
ハワースのレトロな薬局。
ブロンテ家の長男ブランウェルがここに毎日のようにアルコールを買いに来ていたらしいです。
ブロンテ博物館:シャーロット・エミリー・アンのブロンテ3姉妹の足跡が辿れます。
この博物館の裏手に広がる広大なムーアを3時間ほど歩くと、
嵐が丘の舞台となったトップウィズンズにたどり着けます。
赤紫色のヘザーの咲き乱れるムーアのてっぺんあたりに小さい点がありますが、それがトップウィズンズです。
残念ながら自転車ではいけません。徒歩または馬限定。
この後はダースフィールドからピークディストリクトを抜けシェフィールドに向かいます。
シェフィールドはかつて、シルバーやステンレススチール製品で栄えた町です。
いかがでしたか?
ヨークシャーの雰囲気が少しでもお伝えできたら幸いです。
長いことお付き合いいただき、ありがとうございました。
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