㊗日系英国人カズオイシグロがノーベル文学賞を受賞!
日系イギリス人のカズオイシグロ氏が
ノーベル文学賞を受賞しました。\(^_^)/
イギリスで暮らすマイノリティの私たちにとっても、
何となく誇らしいニュースでした。
沢山のメディアに囲まれても、
とても落ち着いていて、
冗談言いながら(←ここ大事)インタビューを受ける姿は
かなりカッコいいと思いました。
現在62歳で長崎で生まれ。
5歳から海洋学者のお父様の仕事の関係で
両親とともに渡英。
27歳で帰化。
その後イギリス人の奥さんと結婚。
帰化前は自分の心の中の日本の原風景を
辿るような作風だったとのことです。
イギリス人の奥様との結婚が、
彼のアイデンティティを強く肯定して
「思ったように生きていいんだよ」と安心させる
大切な役割をしているように感じます。
ネットで奥様の写真をみましたが、
とても暖かく、可愛らしく、
笑顔の素晴らしい方です。
ところで、
私がカズオイシグロさんの作品に触れたのは、
ずいぶん昔に、
映画で「日の名残り」を見たことぐらい。
名優アンソニー・ホプキンスとエマ・トンプソンが、
じっくりと古い英国貴族の生活を描きだします。
美しいイギリスの景色に心癒されました。
「日の名残り」ホプキンス演じる、
執事のスティーブンスの言葉より
「イギリスの風景が最良の姿で立ち現れる時、そこには外国の風景がどんなに表面的にはドラマチックであろうと、持ち得ることのない品格というものがあります。≪中略≫わかりやすいドラマや「見せ場」のないことが、この国の美しさを際立たせているのだと思っております。≪中略≫イギリスの国土は、みずからの美しさと偉大さをよく知っているので、大声で叫ぶ必要がないのです。」
台詞通り、
じれったいほどに丁寧に、
登場人物の心理を抽出しながら、
古風なイギリス人たちを
描き出していく映画でした。
私の印象は、
地味で控え目な映画だったような…。
とても評判がよかったので
(アカデミー賞にもノミネートされた)、
数回繰り返し見た覚えはあります。
これを見たとき素朴に思ったのは、
作者は名前から察するに日本人らしいのに、
英国をここまで丁寧に描いて、
そして欧米人たちに受けている
というのはすごいなあ、でした。
「Never let me go」の映画化も知りませんでした。
さっそくアマゾンでお取り寄せ。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)
インタビューでイシグロさんは
今後はコミックスの分野との
コラボを考えていると話されていました。
面白そうですね。
ノーベル賞作家だからって
楽しいものを書かなきゃね!
前評判で候補者に上がっていた村上春樹さん。
本当にノミネートされていたのかどうかは、
発表から50年たたないとわからないらしいので、
土台議論が成り立たないと思うのですが、
彼の方もあんまり騒がれてかえって迷惑なんじゃ…。
村上春樹さんの作品の方は、
代表作はほぼ読んでいるのですが…。
翻訳通さなくて良い分、
イシグロさんは
有利だったのかもしれないですね。
英訳されたものを読んでいないので
あくまでも憶測ですが、
春樹さんの方は、
訳者さんがとんでもなくすごくて、
ここまで来たという可能性もゼロとは言えない。
というか、
英訳しやすい非常に英語寄りの文体な気がします。
私個人としては、
次は伊坂幸太郎あたりに
ぜひ取ってほしいですね。
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